【Python】標準ライブラリとは　reモジュール、mathモジュール、randomモジュール、statisticsモジュールなど

Python標準ライブラリの概要と具体例

Pythonには、プログラム開発を進めるうえで役立つ、さまざまな機能を提供する「標準ライブラリ」が組み込まれています。

これらは、特別なインストール作業なしに利用することができます。本記事では、ライブラリの基本的な概念と、Python標準ライブラリの具体例をいくつか紹介します。

ライブラリとは？

一般的に「ライブラリ」とは、プログラムでよく使われる関数やクラス、モジュール、パッケージをひとまとめにして提供するもの、といえます。

例えば、複数のモジュールをまとめたものを「パッケージ」と呼び、さらにそれらのパッケージを集めて1つにしたものが「ライブラリ」となります。

言い換えると、ライブラリとは、モジュールやパッケージをまとめて提供し、特定の目的に沿った機能を一括して利用できるようにしたものです。Pythonでは、このライブラリが標準で豊富に用意されており、インストール作業を行わずに様々な機能をすぐに使うことができます。

ライブラリのインストール

標準ライブラリはPythonに最初から含まれています。

特別なインストール作業は不要です。しかし、標準以外の外部ライブラリを使用する場合は、pipを使用して簡単にインストールが可能です。以下のコマンドを使用して、外部ライブラリをインストールします。

pip install ライブラリ名

例えば、HTTPリクエストを処理する外部ライブラリ requests をインストールする場合、以下のようにコマンドを実行します。

pip install requests

これにより、外部ライブラリを追加し、プロジェクト内で使用できるようになります。

Python標準ライブラリの紹介

Pythonには、多くの標準ライブラリが用意されています。それらを利用することで、追加のインストールを行うことなく、複雑な操作や計算を簡単に行うことが可能です。以下に、代表的な標準ライブラリとその使用例を紹介します。

reモジュール（正規表現ライブラリ）

reモジュールは、正規表現を使って文字列のパターンマッチングを行うためのライブラリです。

これを使うことで、文字列の検索、置換、抽出が効率的に行えます。

• match()：文字列の先頭が正規表現に一致するか確認します。
• search()：文字列内の最初の一致部分を探します。
• findall()：すべての一致する部分をリストで返します。
• sub()：一致した部分を置換します。

import re

pattern = r'\d+'
text = "123 ABC 456"

search: 文字列の中で最初に一致する部分を検索

result = re.search(pattern, text)

print(result.group()) 

こちらの出力結果は　123　となります。

findall: 一致する部分をすべて取得

results = re.findall(pattern, text)

print(results)

こちらの出力結果は　[‘123’, ‘456’]　となります。

sub: 文字列内の数字を「X」に置換

replaced_text = re.sub(pattern, 'X', text)

print(replaced_text)

こちらの出力結果は　X ABC X　となります。

mathモジュール（数学ライブラリ）

mathモジュールは、数学的な関数や定数を提供する標準ライブラリです。
平方根や対数、三角関数などの計算が簡単に行えます。

• sqrt()：平方根を計算します。
  
• pow()：累乗を計算します。
  
• sin()：サイン関数を計算します。

まず、モジュールを下記のコードで読み込みます。

import math

平方根

print(math.sqrt(16))

こちらを実行すると、4.0 が出力されます。

累乗

print(math.pow(2, 3))

こちらを実行すると、8.0 が出力されます。

サイン関数

print(math.sin(math.pi / 2))

こちらを実行すると、1 が出力されます。

randomモジュール（乱数生成ライブラリ）

• randint(a, b)：aからbまでのランダムな整数を返します。
  
• random()：0.0以上1.0未満のランダムな浮動小数点数を返します。
  
• choice()：シーケンスからランダムに1つの要素を返します。
  

import random

ランダムな整数

print(random.randint(1, 10))

こちらを実行すると、ランダムな整数が出力されます。

ランダムな浮動小数点数

print(random.random())

こちらを実行すると、ランダムな浮動小数点数が出力されます。

リストからランダムに選択

options = ['apple', 'banana', 'cherry']
print(random.choice(options))

こちらを実行すると、リストからランダムに選択した結果が出力されます。

statisticsモジュール（統計ライブラリ）

statisticsモジュールは、基本的な統計量を計算するための標準ライブラリです。平均値や中央値、分散などを簡単に計算できます。

• mean()：平均値を計算します。
  
• median()：中央値を計算します。
  
• variance()：分散を計算します。

モジュールを下記のコードで読み込みます。また、[1, 2, 3, 4, 5]のリストを用意しておきます。

import statistics

data = [1, 2, 3, 4, 5]

平均値

print(statistics.mean(data)) 

平均値である3が計算されて出力されます。

中央値

print(statistics.median(data)) # 3

中央値である3が出力されます。

分散

print(statistics.variance(data))

分散である2.5が出力されます。

urllibモジュール（URL操作ライブラリ）

urllibモジュールは、URLからデータを取得したり、HTTPリクエストを送信するためのライブラリです。

• urllib.request：URLからデータを取得する際に使用します。
  
• urllib.parse：URLの解析や操作を行います。
  

datetimeモジュール（日時操作ライブラリ）

datetimeモジュールは、日付や時間を扱うための標準ライブラリです。現在の日付や時間の取得、日付の計算などが簡単に行えます。

• today()：現在の日付を取得します。
• now()：現在の日付と時刻を取得します。
• timedelta：日付や時間の差を表現します。

モジュールを下記のコードで読み込みます。

from datetime import datetime, timedelta

現在の日付と時刻を取得

now = datetime.now()
print(now)

1週間後の日付

future = now + timedelta(weeks=1)
print(future)